【製品について】 イギリス・オーディオ界の初期、1950年代の傑作、Capitol 社の高級Stereogram RS101の兄弟機種RS104。CapitolからEMI Capitolへ、さらにはHMV(His Master’s Voice)へと、三代のメーカーに生産が受け継がれていったロング・ランの製品。出品のスピーカー・システムは、このRS104の、ステレオ仕様のためのExtension Speakerとして採用されていた、2wayシステムです。１本、モノラル用としての出品ですので、お間違えなく。 搭載のユニットは、EMI製。ウーファー側がオーバル・フルレンジの95130 P(9.5×4.5インチ)、ツイーター側が樹脂製フィルム・コーンのバックシールド・タイプ、97492 B(2.75インチ角)。いずれもアルニコ・マグネットを搭載した、初期EMIのユニットです。ネットワークは、コンデンサーによるツイーター側のローカットのみと、この時代らしく、いたってシンプルです。 キャビネットは、前面上部と下部のアールや、赤銅色の前面のフレームなど、RS101同様、こちらも時代を反映した豪華な作りで、個性的な逸品となっています。また、背面には金属メッシュがはめ込まれ、半開放の構造になっています。(背面パネルの固定ネジのネジ受けにも赤銅色の金属が使われています。)よく乾いた響きの良い筐体で、軽やかで心地よい響きの中・低域の実現に一役買っています。(この響きの豊かさから、当方のモノラル再生の中核となっていたシステムです。) 音質的には、初期EMIのユニットを採用していることもあり、音楽性を前面に打ち出した、気品のある、端正な音作りが基本になっています。また、アルニコ時代の典型的なイングランド・トーンらしく、ロー、ハイともにエンドが緩やかに丸くまとめられるとともに、中高域の刺激的な成分が排除され、とても心地よい再生音楽を提供してくれます。 総じて、優雅なデザインのキャビネットとともに、古き佳き時代の英国の輝き、イングランド・トーンの豊かな響きを、時空を超えて現代に伝えてくれる、そんなスピーカー・システムだと思います。 システム全体のおよその大きさは、横幅39cm、高さ25cm(脚部を含めると40cm)、奥行き27.5cmになっています。 【商品の状態について】 △ 画像からもわかりますように、遠目で見てこれとわかるような大きなダメージはありませんが、随所に小傷や補修痕がかなりあります。ただ、サラン・ネット(オリジナルのままです。)も含めて、正面は比較的綺麗な状態ですので、日常の使用ではあまり気にはならないと思います。いずれにせよ、新品同様の美品をお探しの方は入札をお控えください。できましたら、アンティークに理解のある方にお願いいたします。 〇 ケーブルは直出しです。長さも5m強あり、柔軟性もまだまだ十分に保たれていましたので、そのまま使用しておりました。おそらく先端に付いていたであろうDIN2Pプラグは外されておりますので、ケーブルをアンプに直接繋いでください。 〇 脚部は、Capitolらしく３本脚。３本とも揃っています。本体に鬼目ナットが埋め込まれており、脚に取り付けられたボルトをねじ込むようになっていますので、脚を取り外して使用することも可能です。 〇 フルレンジ、ツイーターともに、時代を考えると、全体的な状況は良好で、コーン紙やセンター・キャップに特に傷みはみられません。(枚数の関係で画像は掲載できませんでしたが、レストアの際、ユニットを外してユニットの表側も確認してありますので、ご安心ください。) ・ フルレンジは初期型らしくフィックスド・エッジですが、特有の細かなクラックも見られません。 ・ ツイーターについては、フィルム・コーンによく見られるセンター・キャップの変形も見られません。 ○ 公称インピーダンスは4Ωになります。 〇 ネットワーク・コンデンサについては、RS101同様、「黒Hunts」が使われていましたが、モールド樹脂もひび割れし、容量も抜けておりました。時代を考え、手元にあったハーメチック・シールド・タイプの英国Hopkins社製オイル・コンデンサに取り換えてあります。(贅沢な使い方ですが、ここは音質に直接関わる部分ですので、当時物のオイル・コンを使って、当時の音の再現を図りました。) 【その他】 発送はヤマト宅急便、1ヶ口になります。送料着払いでお願いします。(脚の取りはずしや取り付けは簡単にできますので、脚は外した形でお送りします。) ジャンク品としての出品ではありませんので、輸送中の何らかのトラブルで、製品としての機能に問題があったり、状態が説明と著しく異なったりした場合、2週間以内に、その旨ご連絡いただければ、返品は受け付けます。 なお、同時に、趣味の音響製品を何点か出品しておりますので、よろしかったら、そちらもご覧ください。