こんちゃん宅で吹かせていただいた「古鏡」の思い出笛・尺八Youtuberとして有名な「こんちゃん」とはご縁があり、動画に出させていただいたりいろいろお世話になっています。こんちゃん宅には膨大な笛・尺八のコレクションがありその中でも「古鏡」はお宝の楽器です。少し前になりますが特別に吹かせていただくチャンスを得ました。見るからに歴史を感じさせる飴色の細身の笛を手にしたとき「どんな音がするのかな」と少し緊張しました。そして息を入れたのですが何ということでしょう、音が全く出ない。2度3度試してみましたがうまくいきません。こんちゃんから「優しく吹いてみてください」とアドバイスをいただき通常の半分以下の息をそっと吹き込むとやっと音になりました。強すぎる息は全く受け付けてくれず、息の道を探るように慎重に息を通して、「古鏡」に鳴っていただかないとダメなのです。現代尺八を吹き慣れている私にとっては新鮮な驚きでした。出てくる音はまさに妙音、江戸時代の音の世界にしばし没入させていただきました。
初めて出会った伝統的製作法による古管このところのマイブームでヤフオク等で古い地無しを探しては修復作業を行なっていますが、今回の作品はおそらく明治時代の楽器で伝統的手法にのっとって作られており、指孔は非常に小さく、歌口部分は竹のままです。調律は伝統調律で何も手を加えずにきれいに磨いてそのまま出品しようと思うほどでした。きれいに洗ったあとちょっと吹いてみるとどこかで聞いたような音がするのです。そう、あのこんちゃんの「古鏡」によく似た上品な音がしたのです。それならば外見も真似てみたらもっと雰囲気が出るのではないかと思いました。REIZANが手を加えたところは次のとおり。１開口部が広すぎて吹きにくかったので周辺を狭めてより演奏しやすくしました。２扱いやすい伝統調律にするため第５孔のピッチを少し上げ、第４孔と第３孔は少し下げました。３カラーテグスで装飾しました。（割れ防止にもなっています）
この尺八の演奏法「伝統調律」はチが高めなので現代尺八と比べると常にチを意識して「メリ」で吹く必要がありますが、慣れれば自然に体が反応すると思います。特に甲のチを強く吹くときは第３孔をかざす操作をした方がより正確です。チが高めなので「チのカリ」が容易にできます。大きい音が必要なときあはハの半音ではなくチのカリを使って演奏します。この尺八は長さが550mmで、現代尺八ならば１尺８寸のサイズですが、内径が広いので全体のピッチは１尺９寸に近いものになっています。無理矢理１尺8寸管として演奏できないこともないですが、カリ吹きで演奏した場合にはこの楽器の音色の良さが全く活かせません。強い息ではなく丁寧にゆっくり息を流し込む要領でややメリ加減で演奏した場合に本領を発揮します。こんな音がします。https://youtu.be/LeGCsYd5Njk
【諸元】長さ 550mm 重さ288g 頭部直径35mm 底部直径48mm 歌口内径縦21mm 横21mm エッジ深さ3mm強 最大指孔10mm
PC動作環境などで色味が異なることがあります。何か疑問点があればご質問ください。なお取引はNC/NRでお願いします。お手持ちの量産尺八を改造したい場合には質問コーナーに番号をいれてお送りください。折り返しSMSにてご連絡します。質問には答えませんので番号が公開されることはありません。落札された方は必ず落札後48時間以内に手続きを開始するようお願いします。（落札代行業者の方はご注意ください。） また、評価が著しくよくない方は入札を取り消す場合があります。