∇花∇室町～桃山時代の古漆器 平目地葡萄蒔絵薬籠(薬器) 煌びやかな螺鈿細工
棗や印籠の前身である和物茶器 ◇18



～商品詳細～ ～ ケの場において用いられた抹茶の容器には、“親元日記”の「茶器一黒御紋三桐(略)御黒薬入物也」や“塵芥”の「薬器 茶入物」との記録も残るように15世紀にはすでに茶器には漆や蒔絵が施されるなど次代の侘び茶の萌芽が見られ、また茶それ自体が薬用として日本から渡来したことから「薬器(ヤッキ)」と称されました。
侘び茶の台頭と共に薬器やそこから派生した中次形の「薬籠(ヤロウ)」は茶席の中で用いられるようになりましたが、16世紀後半、桃山時代に千利休が登場すると一切の無駄を取り除いた黒塗棗が侘び茶における主流となり、薬器や薬籠の文字は次第に文献から姿を消していきます。
さらに歴史の一方では、室町時代に日本から伝わり当初は印判印肉や火打石を入れていた方形の印籠が薬容器へと転用されると、薬籠の影響を受けたのか、桃山時代には積み重ねの小型容器へと変化し、江戸時代になると持ち歩きのできる薬入れの主役として持て囃されることとなりました。
このことから現代においては「茶器の棗が印籠の名を借りて薬入れに発展した」との説も存在しています。

室町～桃山時代の螺鈿細工葡萄蒔絵薬籠です。
中次形の器形が三つの段から成ることから、茶器(棗)としてではなく薬容器(印籠)としての性格が強い薬籠で、それぞれの段は薬の変質を防ぐため嵌め込み式となっています。
艶やかな黒漆地に金平目粉を蒔いて地蒔きとし、そこに平蒔絵と螺鈿細工によって葡萄を描いており、西洋との貿易の影響から室町から桃山時代にかけて急成長した螺鈿技術が器全体で存分に発揮されています。
経年により古格を増した蒔絵が実に美しく、侘びた表情を見せる金蒔絵の中で螺鈿の遊色が鮮やかに映え、いかにも大名御調度らしい手抜かりのない完成度に惚れ惚れ致します。。。
比類なき希少価値と格調高さを備えた逸品中の逸品です！どうぞご自慢のコレクションにお加え下さい。
古い合箱、仕覆添え。(箱のソゲやスレ、虫食い、仕覆の染みやホツレ等の傷みあり)
是非この機会をお見逃しなく！
～商品詳細～ ～
【サイズ】 直径：約6.8cm 高さ：約7.7cm

【重量】


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