奇跡の美和本!『古今実録 大久保(彦左衛門)武蔵鐙』松前屋五郎兵衛伝の上下巻揃 明治16年(1883)※『三河物語』家康 秀忠 家光 アウトレット 一心太助

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明治16年(1883)に、東京京橋区三十間堀二丁目一番地に居住していた、粋人・山内文三朗が出版した和本『古今実録 大久保武蔵鐙(鐙)』松前屋五郎兵衛伝の上・下二巻揃いである。上巻は「明治十六年一月八日御届」下巻は状態は「明治十六年二月十三日御届」と奥付にある。本書の大きさは、タテ約23センチ×ヨコ15センチ。上・下二巻ともすこぶる良い「美本」だが紙色の地に経年の感わずかに有り。和本表紙は上・下二巻とも、芳幾の画(浮世絵・錦絵)の木版多彩色摺である。本文中の挿絵は、刷版画で計六点本筋の名場面が所収してある。活字は古式活版を使用。見逃してならないのは、表紙の背景色だ。彦左や太助、五郎兵衛らの迫力ある絵のバックは薄い浅葱色、彦左の顔は人肌色でなかなかの味わいがある。げに恐ろしき、刷り師職人の腕前をさりげなく感じた。素人眼には、ハデな極彩色に目を奪われるが、淡く薄い色を出す浮世絵技法は難しい。それを裏付けるように、上・下巻の表紙絵には、摺り師の職人名が墨摺りしてある。新聞記者の駆け出しの頃、神田神保町の山田書店や大屋書房の御主人らから、浮世絵や古文書の鑑定のコツの御教示して頂いた。約25年前、東京・神田駿河台下の古書会館で行われた城北展の入れ札(封筒の中の紙に落札希望金額を書く)で見事にしとめたものだ。場末の古書店やオフオクでは、これまでスレやキレ、虫損(虫喰い)、状態がかなりボロボロが出品されているが、それらの和本とはコンディションが根本的に違うのが、今回の私の出品であると自負している。【名著『三河物語』】大久保彦左衛門(1560~1639)、正式名は忠教、通称は平助。その名著『三河物語』(全三巻)成立は寛永三年(1626)とされる。だが、それ以前に「三河記」や「大久保忠教自記」、「大久保彦左衛門筆記」などで内容の一部は、すでに執筆されてた。畢竟、彦左が徒然に書き記したものを、晩年に補筆・集大成したものが『三河物語』なのである。『三河物語』は、徳川発祥地・松平郷以来の譜代家臣の精神を典型的に示した発露の書と言える。著者の大久保彦左衛門は、典型的な戦国武士で家康の重臣・大久保忠員の八男である。一説には、天正3年(1575)の長篠の戦いに際し、武田軍が臨時に築城した鳶の巣山砦急襲、あるいは犬居城攻めが初陣とも言われている。その後、兄・忠世とともに各地に参戦した。大きな戦いとしては、小田原北条攻めやの上田城攻め(第一次)、槍奉行として勇んだ大坂の陣などで獅子奮迅の戦いをした。東照神君・家康公以来、秀忠・家光と三代の将軍に仕え、戦国生き残りの武辺者として旗本内で重きをなし、一廉以上の存在感があった。彦左の性格自体が頑固一徹で、納得できないと上から指図には絶対に従わない、一筋縄で行かぬ強者であった。彦左の生涯の前半の関ヶ原合戦までは、まさに戦乱の世であった。徳川幕府が開幕し、大坂の冬夏の陣で豊臣家が滅亡してからは、幕府の方針で、大名家のお取り潰しや家臣のリストラが横行した。平時へと姿を変えた世は、戦国武士の生き残りの彦左のような武辺者よりも、世辞や追従などで上役の顔色を伺う文治派ばかりが出世した。彦左は『三河物語』の中で、家康公のみぎりは山野駆けめぐり死に物狂いで戦った忠臣が、冷や飯を食わされていると嘆く。畢竟、「将軍様(家光)でさえ有り難くない」と筆誅を加えている。彦左の型破りな本音は次々と書き写され、やがて方々で噂となり、リストラされた武士たちに大きな共感を巻き起こした。そして、頑固なまでに、武士の意地を貫き通した彦左の生きざまは、やがて史実を離れて、講談界のヒーロー「天下の御意見番」を誕生させ、庶民に愛され深い共感を呼び起こす人物像へと一人歩きする・・・。【大久保武蔵鐙】いつの世も一番説得力があるのは、本音であり赤裸々な権力者批判である。『三河物語』を底本(種本)とした世話物講談が、江戸中期以後、数多く出版された。その代表格が『大久保武蔵鐙』(成立年未詳)である。この物語には、一本気の魚屋・一心太助や悪しき不正を見逃さない松前屋五郎兵衛ら登場させて、反骨物語を助長さている。その火中の栗を拾い将軍や大名旗本らに苦言を呈する「天下の御意見番」こそ、大久保彦左衛門なのである。江戸城への盥(たらい)登城や阿部豊後守の隅田川乗切り、矢代騒動処理など、どれも史実としては荒唐無稽だがすこぶるおもしろい! ある意味では、平成・令和の今日と同じで、悪しき大名や高級役人、豪商らはお手盛りの恩恵を受け、下級武士や浪人、町人たちはお上から酷税を受け虐げられた。彦左と一心太助の荒療治は、ある意味で弱い者たちの願望の体験者で、物語の痛快無比なオチは強烈なメッセージを庶民に与えた勇気づけた。『大久保武蔵鐙』は、『三河物語』とは、まったくちがう内容的だが、彦左像の頑固でヘソ曲がりの性格は史実に残る実在と寸分もたがわぬものだ。要するに、本音で生き、本音でお上に文句をぶつけた、彼の精神は架空の物語の中でも生きていたのである。ゆえに下級武士のみならず、肩身の狭い浪人や町人からも喝采されのだ。この『大久保武蔵鐙』は、御維新以後にも受け継がれ、立川文庫やある種の時代小説や映画、テレビドラマに、非常に大きな影響を与えた。【余談】本書の購入当時、私はいまや『鬼滅の刃』で有名な集英社新書の創刊準備編集部の仕事をしていた。京都・宇治在住の京大学派の歴史学者で、元『歴史と文学』編集長、『三河物語』編著や、ベストセラー『軍師の研究』の著者の百瀬明治先生の編集担当として、お宅へ何度も通い約2年の歳月をかけて、集英社新書草創期の『怪傑! 大久保彦左衛門』(初版・2万部)の上梓にこぎ着けた。その際、百瀬先生が、この『大久保武蔵鐙』は「江戸初期の武辺者の精神史」と激賞していたのが、今も耳朶に焼きついている。

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